2025/11/18 23:48
12年前。
サンキャッチャーの
委託販売をするにあたり、
作家名を決めなくてはならなくなり、
ひとり悶々と考えていた頃。
当時3歳だった娘(リリカ)が、
なにかを見つめながら
「リーノ、リーノ」
(これ、わたしの、わたしの)
と主張してきた。
その瞬間、
「あっ、わたしのって主張してもいいんだ」
と、胸の奥で風が、ふっと抜けて
同時にリノという音が心に触れました。
そして、その言葉の意味、
Lino ── 光る、輝く、つなぐ、奇跡。
を知り、
輝きと輝きと笑顔と笑顔。
あたりまえで、あたりまえじゃない奇跡。
無数の光をつないでいきたい。
どこからもとなく聞こえた音に、
「ああ、わたしがしたいことはこれなんだ」
と、静かに腑に落ちたのを覚えています。
そして、
目の前をチョロチョロする
リリカという小さな光の奇跡を
できる限り憶えていたい――
彼女が今日も
”しあわせ” でありますように。
ただ、それだけを願ってしまう――
そこにある、いのちの
”しあわせ” を願う素直な気持ちと、
Linoという音に感じた想いが
静かに重なったとき、
わたしの道は、そっと、はじまっていました。
そして11年前、
たくさんの Lino をつなぐ場として
LinoWorksが生まれました。
⸻
本当のところを言うと、
もうひとつ "願い"がありました。
その子(人)が、
外の世界でも自分を謳歌できますように。
安心して、自分をひらいていけますように。
その人の、お守りみたいなものを、
お守りにみえない"内緒の形"でつくりたかった。
と──浮かんできたのが、
それは、その人の光、
その人の輝きなんだ、と。
だから、その人の根っこにある、
いのちの輝きを、いまここに再現、再生 (リリース) できたらステキ、と。。
よし。
その人だけが持って生まれた
大切な、色、光、香、音をカタチにしよう。
そして "作品" として生み出すことが、はじまったのです。

この作品は、はじめての、固形の水彩絵の具で描いたもの。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、わたし。
家族みんなの光の集合体。
描いた当時は、
みんなの光に包まれている"わたし"って、
わたしの目には映っていたけれど、
リノワークスの原点を書き起こし、
あらためて眺めていたら、
中央の濃いピンクと黄色が、
娘とソラン (愛犬) にみえてきて──
この絵の中には、
わたしの旦那さんや、
そのお父さん、お母さん、
みんなが含まれているように思えてきて
さらに、やさしい気持ちになりました。
あなたには、なにがみえますか?
あなたがここにみたものは、
きっと、あなたの、とても、とても大切な
静かで、透明な、やさしい、あなたの本心。